歌劇≪ポーギーとベス≫ 作曲 ジョージ・ガーシュウィン
~足が不自由なボーギーが命を賭けて恋したべスとは~
2024年8月4日 13:30- 清瀬市・アミューホール
例会は猛暑の影響のせいか空席が目立ったが、心に沁みるメロディの数々に酔いしれながら会場をあとにした。照りつける日差しはなお強く、ムンムンした熱気も満ちあふれていたが、思わず「サマータイム」を、口ずさんでいた。♬Summertime and the livin’is easy . Fish are jumpin’and the cotton is high・・・♬
ガーシュウィン(1898-1937 米 ロシア系ユダヤ人)は、この作品でミュージカルの先駆者としてのみならず、20世紀を代表する地位を確立した。
つましくも陽気に生きる黒人たちの愛と哀しみを描き、黒人霊歌の迫力と気だるいジャズの香りの融合が、さらにこの作品の魅力を高めている。登場人物はほとんど黒人の異色オペラである。
第1幕で歌われる「サマータイム」は多くのミュージシャンにより、ジャンルの垣根を超えて、現在まで歌い継がれるスタンダード・ナンバーとなっている。
- 使用するDVD : グラインドボーン(英)音楽祭を映像化 1989年
- 原作:エドワード・デュポーズ・ヘイワード『ポーギー』
- 初演:1935年9月 コロニアル劇場(ボストン)
- 指揮者・出演者:サー・サイモン・ラトル(英)元ベルリンフィル常任指揮者 オーケストラ ロンドン フィルハーモニー オーケストラ ポーギー:ウィラード・ホワイト 1946 ジャマイカ(BR) ベス:シンシア・ヘイモン 1958 米(S)
- 時と場所:1920年頃 アメリカのサウスカロライナ州チャールストン 海辺の黒人居住区
- 上演時間:約3時間(3幕)
<ストーリー>足の不自由な心優しい物乞いのボーギーは、心弱く麻薬と縁が切れないベスを大きく包み込もうとするが・・・
(1幕)内縁の夫クラウンは賭博のトラブルから仲間を殺し逃亡。ポーギーはベスをかくまったきっかけで、一緒に暮らすことになる。住民たちは殺されたロビンスの部屋に集まり、彼の死を悼むとともになけなしの金を出し合って 葬儀の費用を捻出する。
(2幕)住民たちは離島にピクニックに出かけるが、ポーギーは足が不自由なため、留守番。ベスもピクニックに参加するが、島に隠れていたクラウンと出会ってしまう。
島から戻ったベスは熱を出して、ポーギーは献身的に彼女を看病する。回復したべスは、ポーギーと愛を誓う。ハリケーンが町を襲い、クラウンは嵐を恐れる住民たちを臆病者と罵る。
(3幕)嵐で死んだ仲間たちの葬儀が終わった後、クラウンがボーギーの部屋に忍び込み、ポーギーは乱闘の末にクラウンを殺してしまう。ポーギーは警察に連行されるが、犯人として発覚されず、解放され帰ってくる。住民たちから、ポーギーがいない間に、遊び人の麻薬売人スポーティング・ライフがべスを誘惑し、二人がニューヨークへ行ってしまったことを知らされる。ポーギーはべスを見つけるため、不自由な足をおして、遥か離れたニューヨークを目指して旅立つ。
(古賀良郎 記)