西東京稲門会・散策の会 例会報告 

2018年4月    あしかがフラワーパーク 

 

24 )  小雨

 

    散策の会では珍しく雨の日の例会となった。池袋から湘南新宿ラインで小山まで約75分、両毛線に乗り換えて小山からあしかがフラワーパーク駅まで約40分、合計2時間ほどの長旅である。湘南新宿ラインはゆっくり座って行けたが、両毛線はフラワーパークへ行く人が多く満員であった。あしかがフラワーパーク駅はこの4月に開業したばかりの新しい駅で、フラワーパークの正門までは5分ほどである。

 

    正面ゲートを入るとお土産売場があるが、ここは素早く通り抜けて園内に入ると、まずハナミズキの並木が目に飛び込んできた。濃いピンク色の花がまさに満開であった。様々な花が咲き乱れる花壇を通り抜けて行くと、このフラワーパークの最大の見どころである大藤である。この大藤は1994年に前身の早川農園にあったものを現在地に移植したもので、当時樹齢は130年であった。従って現在では樹齢150年を超えており、棚の広さは畳600枚分、花房も1.9mを超えるまでに生育している。例年はゴールデンウィークの頃に見頃を迎えるのだが、今年は季節の進行が早く、まさに大藤が最も美しい時期であった。

大藤の棚を出ると今度は白藤のトンネルである。非常に艶やかなしかも気品のある白い藤の花である。

 

        大藤

      白藤のトンネル

      白藤の滝

       大長藤

       濃紫の藤

  池越しに大長藤を見る

 

    和食処「あじさい」で昼食のあと園内を反時計回りに一巡りした。むらさき藤のスクリーン、白藤の滝、八重藤、きばな藤のトンネル、大長藤、しゃくなげの森、ツツジの海を経て大藤に戻ってきた。きばな藤はようやく開花が始まったばかりであったが、その他の花々はまさに「今が見頃」の状態で、出てくるのは「ワァー、きれい」とか「すご〜イ」という嘆声だけであった。

 

    この日見た花。藤、ハナミズキ、クルメツツジ、シャクナゲ、ルピナス、クレマチス、ベニバナトチノキ、ペチュニア、シャクヤク、オオデマリ、デルフィニウム、その他名前の分からない花多数。

 

        シャクナゲ

      クルメツツジ

   花が咲き乱れる花壇

     七色のルピナス

 デルフィニュウムセントブルー

  池の中にサフィニアの花壇

 

    午後1時15分にフラワーパークを出て、1時36分発の電車で足利駅へ。歩きっぱなしだったので駅前のカフェで小休止ののち足利学校へ向かった。

足利学校の創建は奈良時代説、平安時代の小野篁説、鎌倉時代の足利義兼説などあるが、室町時代に上杉憲実が現在国宝に指定されている書籍を寄進し、学校の組織を整備したことに始まる。入徳門を入り、受付で入学金を払って学校門を入る。更に進んで杏壇門を入ると孔子廟があり、孔子像や小野篁像が祀られている。杏壇門の右手には学生の講義や学習や学校行事に使われた方丈という大きな茅葺の建物がある。中に入ると論語などの古い書籍や扁額などの資料が展示されている。建物の南北には池と築山からなる築山泉水庭園があり、小雨に濡れて一段と趣のある風情であった。

 

    足利学校入徳門

       方 丈

    鶴の形をした南庭園

    足利学校から5分ほどの所に鑁阿寺(ばんなじ)がある。室町幕府を開いた足利氏の居館跡で、約4万平米の敷地には四方に堀と土塁を廻らしてあり、鎌倉時代の武家屋敷(平城)の面影が残っている。本尊は大日如来で、本堂は国宝である。本堂の手前にある大銀杏は樹齢500年超の古木で、実に堂々としている。

 

      鑁阿寺本堂

     鑁阿寺の堀

   大銀杏

 

    鑁阿寺から両毛線の踏切を渡り、渡良瀬川にかかる中橋を渡って約20分で東武鉄道の足利市駅に到着。16時15分発の電車に乗り、館林駅と久喜駅で乗り換えて池袋駅には18時12分に到着した。

            

                     大藤の前で(水野氏撮影)

 

 

志賀勉さんから俳句を寄せて頂きました。

雨垂れの 糸引く如し 藤の花

芳しき かをり溢るる 藤の棚

鑁阿寺へ 緑雨つづくや 石畳

大手鞠 雨に重たき 枝を垂れ

学問所 堅き三和土や 風薫る

 

参加者  小島恕雄夫妻、志賀勉、水野聰夫妻、安村長生、

臼井静江、梶原松子、中村仁美  以上9名

 

写真と文 小島恕雄