西東京稲門会散策の会 例会報告

 

12月17日(水)  快晴

★爆弾低気圧が日本列島を襲い、16日は全国的に大荒れの天気で、関東地方は冷たい雨、北海道・東北・北陸では12月としては異例の大雪が降った。散策の会も1日延期となったが、そのため参加できない人が多く、参加者は坂場さん、佐野さん、安村さんと筆者の4人だけという寂しい例会となった。坂場さんは今回が初参加であった。

★西武新宿線・井荻駅南口を午後2時15分に出発。『科学と自然の散歩道』は駅のすぐ前から始まる。道幅は3mほどで舗装がしてあって歩きやすい。道の両側には様々な樹木が植えてあり、所々に花壇やビオトープがあり、目を楽しませてくれる。またノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊博士の手形とメッセージが刻み込まれた『夢のタマゴ』のモニュメントが置かれている。

      

科学と自然の散歩道               中瀬保育園前の花壇

     

小柴博士のモニュメント                 夢のタマゴ

★井荻駅からのんびり歩くこと約30分で妙正寺公園に着いた。妙正寺池を中心にした小さな公園で、初冬の昼下がりのせいか人影はほとんどなかった。この池を水源とする妙正寺川は鷺宮、中井の駅前を流れ、新宿区下落合で神田川と合流する長さ9.1qの1級河川である。

公園の隣の工事現場の横の坂道を登ると小さな神社があった。中瀬天祖神社である。鉄の扉の横からすり抜けるようにして境内に入ると、すぐ眼の下に妙正寺公園が見える。

     

妙正寺公園                   中瀬天祖神社

★天祖神社を後にして広い道を南に向かって10分ほど歩くと妙正寺に着いた。日蓮宗の寺で山号は法光山。文和元年(1352年)に下総国の中山法華経寺の第3世・日祐上人が妙正寺池のほとりにお堂を建てたのが始まりという。徳川家光が鷹狩りの際に立ち寄り武運を祈ったお寺で、境内の鬼子母神は安産の神様として親しまれているという。

境内は人影もなく静かで、野鳥の甲高い声だけが響いていた。わずかに残った紅葉が薄暗い庭を明るくしている。すっかり葉を落としたケヤキの枝が青空に向かって伸びている姿は清々しい。山門の右手には冬桜が咲いていた。

    

 妙正寺の本堂                 山門横に咲く冬桜

     

境内の紅葉                 青空にスッキリとケヤキの木

★妙正寺のすぐ南に立派な長屋門がある。『井口喜容家所蔵文書』と書かれた標識が建っている。江戸時代の庄屋の家だったのだろう。その当時の古文書が残っているらしい。長屋門の向こうには現代風の住宅が建っていて、現在も住んでいるようだ。

長屋門の説明を読む安村、坂場、佐野の3氏

★遊歩道を歩いてゆくと再び妙正寺公園に戻ってきた。公園の手前に科学館が建っている。広いエントランスホールにはミンククジラの標本やフーコーの振り子が展示してあり、生物や岩石の標本、小柴昌俊博士とニュートリノ天文学の展示コーナー、プラネタリウムもある。杉並区の児童・生徒の理科教育や区民のためのイベントに利用されている。名誉館長は小柴博士である。

      

     

杉並区立科学館                   妙正寺川

★科学館の前から妙正寺川が流れ始める。川はコンクリートで護岸され、水は細々と流れているにすぎない。両岸には遊歩道が整備されていて、桜の木も多く春は花見が楽しめそうである。この遊歩道を歩いて午後4時15分頃鷺宮駅に到着した。

★鷺宮駅前の中華料理店『香港庭』で忘年会を行った。昨年の忘年会には16名が参加して大変賑やかであったが、今年はわずか4名と寂しいものとなった。しかも常連のメンバーが少なく、初対面という方もいたが、そこは皆早稲田大学の卒業生同士、在学当時の大学生活や有名教授のエピソード、最近の早稲田スポーツなど、話題に事欠くことなくあっという間に時間が過ぎ、6時半に散会となった。

参加者  小島恕雄、坂場正勝、佐野信男、安村長生  以上4名

写真と文 小島

散策の会へ