西東京稲門会・散策の会 例会報告 

2016年2月    下河原緑道・郷土の森博物館 

 

216 )  晴れ

 

    三鷹駅に集合して中央線、武蔵野線を乗り継いで10時前に府中本町駅に着いた。府中本町駅で浜氏と滑志田氏が合流して参加者は10名となった。浜氏は2014年1月以来2年ぶりの参加である。

 

    府中本町駅からほんの数分で大國魂神社の鳥居を潜り境内に入ると随神門のすぐ前である。随神門と中雀門を抜けて拝殿で参拝をした。さすがに由緒正しい神社で、境内は広いし、建物も多く立派である。平日の朝にも関わらず参詣する人、散歩をする人が多い。

参道を北へ進んで大鳥居を潜り、旧甲州街道を渡ると有名な馬場大門の欅並木である。参詣客相手の店が並ぶ広い歩道を行くと、やがて京王線の高架下を抜けて甲州街道に出た。ここを左折して甲州街道を八王子方面に向かって進む。

     

    大國魂神社拝殿                       中雀門

    府中街道を過ぎるとすぐ右手に小さな公園がある。ここが下河原線広場公園で、JRの旧下河原線のレールが保存され、昔の駅舎が復元されている。この公園から南に真っすぐ延びる廃線跡が遊歩道として整備された下河原緑道である。静かな住宅街の中の気持ちの良い散歩道である。紅白の梅やミモザの花が春の訪れを告げている。

     

       枕木を使った説明板               満開のミモザの花

            

     緑道はやがて旧甲州街道と交差する。旧甲州街道に面して龍門山高安寺がある。総門を入り通路を右に曲がると立派な山門がある。明治5年(1872年)に建立された木造二階建ての入母屋造りの二重門である。入口正面には阿吽の仁王像が安置され、裏面には地蔵像と脱衣婆像が安置されている。そして各円柱の上部には極楽浄土に住むという、鳥の下半身と翼を持つ迦陵頻伽(かりょうびんが)が楽器を奏でている。実に素晴らしい山門である。

   山門を抜けると右手にボケ封じのお地蔵さまが立っていたので一同念入りにお参りをした。

   正面の本堂も大きくどっしりとした威厳のある建物である。本堂の裏には「弁慶硯の井」というのもあるが、これを見たのは滑志田氏だけである。

      

        高安寺山門                    高安寺本堂

  

      仁王像                          迦陵頻伽像

★ 再び緑道に戻り南に向かう。南武線を高架で越えると住宅が少なくなり畑が多くなってきた。左に東京競馬場へ向かう支線を分け、中央高速道の下を潜ると左手にサントリー武蔵野ビール工場が見えてきた。敷地内にはビールケースが山積みされている。工場見学とビールの試飲ができるそうであるが、今日のところは外観を見るだけで通過する。

 

    サントリーの工場の南に隣接して「大東京綜合卸売りセンター」が建っている。昭和41年に多摩地区最大の卸売市場として開業し、青果、鮮魚、精肉、日用品など、およそ90の店舗が並んでいる。正午を過ぎていたので大半の店は閉店していたが、個人客相手の店もあって、卵焼きやべったら漬けなどが安いといってお土産を買った人もいた。我々はマグロ専門の食堂で食事をした。

 

    満腹になったところで卸売りセンターを出て5分ほど歩くと府中市郷土の森博物館に着いた。入場料200円を払って正門を入ると、右手に展示室やプラネタリウムなどがある博物館本館が建っている。「カイコとくらしたむかし」展を開催していたが、これを見た人は少なかった。

   本館の前で道は左へカーブするが、その先はきれいなケヤキ並木である。青空に向かって葉を落とした枝が真っすぐに伸びている姿は毅然としている。ケヤキ並木に沿って盆栽展も行われていた。

   

 

    ケヤキ並木の先には旧府中町役場、旧府中郵便取扱所、旧島田家住宅、旧田中家住宅など明治時代の建築物が保存・展示されている。我々の幼少時代にはよく見かけた建築物であるが、最近では滅多に見られない。懐かしさを感じると同時に、当時の建築技術の確かさに感心した。旧島田家住宅では雛飾りが展示してあった。

         

           旧府中町役場                     旧島田家住宅

    更に進み、「ハケの下の流れ」という小川を渡ると梅林に出た。広々とした梅林で、紅梅、白梅、枝垂れ梅など約60種の梅が1100本もあり、ちょうど見ごろを迎えていた。梅の木の根元には福寿草や水仙が咲き、所々に咲くマンサクやサンシュユの黄色い花もいいアクセントとなっている。

梅林の中の赤いベンチに腰掛けてしばし雑談を楽しんだ。春の日差しが気持ちよかった。

      

             ハケの下の流れ                      満開の梅

    郷土の森博物館からは西武多摩川線の是政まで歩いて帰る予定であったが、分倍河原行のバスがちょうど発車するところだったので、これに乗って分倍河原に行き、そこで解散となった。   

 

 

巫女に享く合格筆や梅日和    良久

 

     廃線のレールの彼方かぎろへる  勉

 

     梅咲くや昔語りの蚕の道     流牧

 

参加者  金児利行、小島恕雄夫妻、志賀勉、滑志田隆、浜昌太郎、比留間治男、

水野聰、安村長生  以上10名

写真と文 小島

 

     

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