西東京稲門会・散策の会 例会報告 

2016年4月    天覧山・多峯主山 

 

26 )  快晴

 

    雲一つない快晴で、絶好のハイキング日和である。難度★★のせいか、参加者は僅か5名である。小学校の遠足の時期で、我々の乗った電車には2つの学校の団体が乗り合わせたし、ハイキング・コースではもっともっと多くの子供たちと出会い、大きな声で挨拶を交わしながら歩いた。

 

    飯能駅には10時に到着。駅から30分ほど歩いて能仁寺に着いた。能仁寺は室町時代の1501年に創建された曹洞宗の寺で、江戸時代には幕府の庇護を受けて七堂伽藍を備え、50人もの雲水を抱える禅道場として栄えた。慶応4年(1868)の飯能戦争でそのほとんどが焼失したが、昭和11年に再建された。本堂の北庭として保存されている「池泉鑑賞蓬莱庭園」は、天覧山の南斜面を巧みに利用した上下二段式庭園で、日本名園百選に入っている。ちょうどつつじが見頃を迎え、庭園が一年で最も美しい時であった。

 

   

        能仁寺扁額                      本堂

 

   

         能仁寺庭園                     本堂前で

 

 

    能仁寺のすぐ横に天覧山登り口があり、ヤマツツジの咲き乱れる道を10分も登れば標高195mの天覧山の頂上である。飯能市街から所沢、池袋・新宿方面がよく見えるし、富士山もかすかに見えている。

 

    

        天覧山への登山道                    天覧山頂

            

     天覧山から一旦大きく下り、沢を歩く。陽あたりがよく、水も豊かな平地なので多くの生き物が暮らしている。アゲハ、クロアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、麦わらトンボが飛んでいるし、ウグイスのほか多くの野鳥の声も聞こえる。「まむし注意」という看板があちこちに立っていたが、幸いマムシには遭遇しなかった。トカゲやオタマジャクシにも会った。陽気に誘われて一斉に出てきたようである。

再び多峰主山の登りにかかる。ここは檜の樹林の中の道である。多峯主山は標高271mで天覧山より76m高いだけであるが、一旦山を下っているので、また200mほど登り返さなければならず、予想以上に大変であった。1215分頃山頂到着。登りでかなり汗をかいたので吹き渡る風が気持ち良い。ここで弁当を広げた。

 

    

      いろいろな生き物が棲む原っぱ            多峯主山への道

 

★ 多峯主山からは御嶽八幡神社を経て永田へ向かって下る。大きな岩の岩壁を下る道で足元が悪い。岩場が終わると不規則に並んだ石段の道となる。これは神社への参道である。途中に鳥居も立っていた。バス通りを渡って民家の庭先を通り抜けると入間川である。円柱のコンクリートを並べただけのドレミファ橋を渡り、対岸の河原を歩く。吾妻峡という景勝の地で、面白い形をした岩があちこちにある。両岸には目に鮮やかな新緑、所々に藤の花や桐の花が咲いている。土手にはアズマイチゲ、ヤマブキ、シャガなどが群生し、シダの群生も見られた。

   台湾で買ってきた竹笛でウグイスの鳴き声に似せて吹くと、自分のテリトリーの中に敵が侵入したと勘違いしたのか、一斉にウグイスが鳴き始めた。ウグイスにつられて他の鳥も鳴きだしたようだ。賑やかな鳥の声を聞きながら木陰の中を歩く。

 

      

            吾妻峡                          ドレミファ橋

 

     

            河原の道                       アズマイチゲの群落

 

    飯能河原からは遠足に来ていた幼稚園児達と一緒になった。多峯主山に登ってきたというが、我々よりずっと元気であった。午後3時飯能駅到着。

 

志賀さんから寄せられた俳句です。

       指笛に 応え峠の 百千鳥

 

 

 

参加者  金子正男、小島恕雄、志賀勉、比留間房子、臼井静江  以上5名

写真と文 小島

 

     

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