5月23日 (火) 快晴
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今年初めての真夏日となった。久しぶりに参加の杉中夫妻を含め、参加者は7名である。東武日光行の快速電車はボックス型の座席なので旅行気分が味わえるが、乗客の半分以上は外国人である。午前11時3分に下今市駅に到着した。 ★
駅から数分も歩けば日光街道の杉並木で、日光街道と例幣使街道の追分である。地蔵堂があって高さ2mほどの石のお地蔵さん・追分地蔵尊が鎮座している。 追分地蔵堂 追分地蔵尊 ★
追分からが昔の今市宿で、上今市駅近くまでの約750mは杉並木がなく市街地である。追分近くの小倉町交差点の先で下今市駅に戻る感じで右折し、5分ほど歩くと報徳二宮神社がある。二宮尊徳(1787〜1856)は、小田原市付近で農家に生まれ、後に幕府の役人となり、最後は日光御神領の復興に尽力し、今市の報徳役所で70年の生涯を閉じた。報徳二宮神社はその遺徳を偲び明治31年に創建されたもので、境内には尊徳のお墓もある。二宮尊徳のことは普段忘れていたが、神社に参拝して改めてその人物や業績について認識をした。 報徳二宮神社 二宮尊徳像 ★
報徳二宮神社の隣に星顕山光明院如来寺がある。徳川将軍が日光社参の折の宿所となった由緒ある寺である。山門に掲げられた山号の文字が読めなくて色々な意見が出たが、結局正解はなし。ガイドブックを見て「星顕山」だと分かったが、それでもなお釈然としなかった。 如来寺山門 如来寺本堂 ★ 会津西街道が日光街道と突き当たる春日町交差点を越えたところに日光市観光協会が運営する「市縁ひろば」があり、観光案内をするほか、地元のお土産品を売る売店や食事処もある。ちょうど昼時でもあり、二階の「日光の庄」で昼食ということにした。冷やし山菜そばを注文したが、ボリュームたっぷりで、食べても食べてもなくならないという感じであった。女性陣はみな食べ残していた。暑い日であったが、窓から入ってくる風が気持ちよかった。 市縁ひろば 杉並木の入口 ★
市縁ひろばから200mほど歩くと再び杉並木が始まる。市街地と杉並木の境には「普通地域・特別保護地域」の標識が立っている。杉並木に入るとすぐ右手に杉並木公園がある。この公園は杉並木に沿って1kmにわたって作られたもので、朝鮮通信使今市客館跡の碑、世界の水車、復元農家などがある。 水車は杉の粉で線香を作る時に使用されたという。14連の水車があるというがほとんどは動いていない。 ★
杉並木公園の出口付近に旧名主の江連家の屋敷と二宮尊徳の報徳仕法により建てられた一般的な農家が再現されている。農家は「報徳庵」という蕎麦屋になっていて、縁側で蕎麦を食べている人がいた。隣には駐車場もあって、観光バスや自家用車で来た人たちで賑わっていた。 ★
ここから再び杉並木の中の道を歩く。道の両側には樹齢400年近い杉が立ち並び、木陰を行くので楽である。昔の人も杉並木のおかげで快適な旅ができたことだろう。杉並木を保存するためには多額の費用と手間がかかる。保存のための資金を多くの人が寄付をしていて、寄付をした企業、団体、個人の名前が杉の幹に巻いてある。 杉の中には名前の付いた木がある。戊辰戦争の時、官軍と幕府軍の激しい攻防戦があり、官軍の放った砲弾が杉の木を貫き、その弾痕が残っているのが「砲弾打込杉」である。並木の中で最も古く姿かたちのよい杉は「並木太郎」と言われている。その他に「銀杏杉」「四本杉」などもある。杉並木の中ほどに野口薬師堂がある。境内にある大きな石の釣鐘が珍しい。小さな休憩所もあるので一休みした。 砲弾打込杉 野口薬師堂 ★
今市宿から鉢石宿(日光)までは8qであるので、午後3時には神橋に着くと思っていたが、杉並木の木陰とはいえ30℃を超える暑さと、目に見えないほど緩やかではあるが登り坂なのでかなり体力を消耗し、東武日光駅に着いたのは3時半を過ぎていた。駅前のカフェで冷たい飲み物を飲みながら休憩し、ここで解散することとした。 志賀さんから寄せられた俳句です。
雨蛙 水車の蔭に 休みをり 杉中夫妻と志賀さんは日帰りであったが、金子、梶原、小島(2)の4名は日光市の促進交流センター「風のひびき」で1泊し、翌日神橋まで歩き、輪王寺、東照宮、二荒山神社、大猷院、田母沢御用邸記念公園を見学してきた。輪王寺三仏殿と東照宮陽明門、大猷院二天門は修理中であったが、普段は見ることのできない壁画や屋根裏を見ることができ、遥か遠くからしか拝見できない阿弥陀如来様や千手観音様を約1mの至近距離で拝むことができた。また東照宮唐門は修復が終わったばかりなので極彩色の模様が実に鮮やかで圧倒された。 「風のひびき」はやや小高い場所にあるので展望も良く、建物も清潔で気持ちよく、サービスはないものの、1泊2食付きで7,130円という安さは最大のサービスである。 参加者 金子正男、梶原松子、小島恕雄・幸子、志賀勉、杉中恒彦・雅子 以上7名 写真と文 小島 |