西東京稲門会・散策の会 例会報告 

2016年6月    小網代の森 

 

22 )  くもり

 

    21日は大雨・雷注意報が出ていたため、1日延期しての例会となったので、参加者は5名と少なかった。この日もすっきりしない天気で、西東京市では昼過ぎまで雨が降っていたようだが、神奈川県は曇りで、三崎口に近づくにつれて薄日も射してきて、まずまずの散策日和となった。

 

    三崎口駅から城ケ島方面へ向かって20分ほど歩き引橋バス停で右折した。すぐ急な下り坂となるが、眼下には緑濃き森、その向こうには油壷の建物が見えている。引橋バス停付近は標高65mほどであるが、急な坂を下った小網代の森入口では標高47mである。ゲートを入ると木製の遊歩道があり、遊歩道以外に立ち入ることは禁じられている。入口からは階段が続き更に高度を下げて行く。

 

        

        小網代の森入口                      木の階段

 

    道のすぐ横には渓流が流れ、シダやササが茂っている。川の源流の景色である。周囲はコナラの森で、色々な野鳥が鳴いているが、特にウグイスは森中で鳴き声コンテストをやっているように盛んに鳴き交わしている。

 

     「中央の谷」ではミズキやハンノキが多くなる。木道の下をアオダイショウがニョロニョロと歩いていたり、池にはアメンボやヤゴが生息している。「まんなかの湿地」に来ると地下水が湧き出ていて、草地となる。アシやガマの穂が風に揺れ、シオカラトンボやアゲハチョウが飛び交っている。「えのきテラス」という休憩所で一休み。平日であるが我々のような高齢者のグループがいくつか来ていた。

 

    「えのきテラス」から100mほどで小網代湾である。ちょうど引き潮で干潟が現れていた。砂浜には無数の穴があって、小指の先ほどの小さなチゴガニが出てきて一斉に求愛のダンスをやっている。大変ユーモラスなダンスで見飽きることがない。19日のNHKの「ダーウィンが来た」でチゴガニの放送を見たので、実にタイミングが良かった。

     干潟から「えのきテラス」へ戻り、宮の前峠入口へ向かうと道の左側の土手に「カニのアパート」と呼ばれる場所があり、文字通り多くのアカテガニが生息している穴がある。アカテガニは本州から南西諸島にかけて分布しているが、絶滅が危惧されているという。

 

   

      「えのきテラス」にて                 干潟にて

 

    油壷まで歩き、ホテル観潮荘のレストランで昼食を取った。蒸し暑くて汗をかいたので生ビールが旨かった。そしてマグロや生シラスがたっぷり乗った海鮮丼や水槽から上げたばかりのアジの刺身を堪能した。油壷からバスで三崎口に戻った。

 

志賀さんから寄せられた俳句です。

       薄日さす 干潟に蟹の 見え隠れ

 

小網代の森の動植物たち

  

      アガパンサス            ランタナ              シダ

  

       ヤマユリ            ハンゲショウ             ガマ

   

      アカテガニ             チゴガニ            アゲハチョウ

 

参加者  小島恕雄、志賀勉、野本瑩一、水野聡、安村長生  以上5名

写真と文 小島

 

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